数週間後、ほぼ全身を包んでいた包帯がほとんど取れた五右ェ門は、黙ってベッドに横たわっていた。
「(俺…ルパンが好きだったんだなぁ…)」
天井を見つめ、あの時気づいた想いを心の中で呟いた。
ルパンは今タオルを洗いに行っているようだった。
今は一人でいる方が都合が良かった。今ルパンに顔を合わせると、自分の気持ちがバレてしまいそうで…。
五右ェ門は大きく息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出した。
そして、気持ちを落ち着けた瞬間、五右ェ門の部屋のドアがコンコンと鳴った。
ガチャリとドアが開き、ルパンがひょいと顔を出した。
「体、拭こうか?」
五右ェ門は笑顔で答えた。
「頼む。」



ルパンの手を借りて、ベッドに上半身だけ起こす。
そして、包帯をシュルリとほどいていくと、白い肌があらわになった。
その様子がすごく色っぽくて艶かしくて、ルパンは思わず顔を赤らめた。
しかし、ブンブンと頭を振って煩悩を払い、理性を保った。
「痕が残らなくて良かった。」
治りかけの火傷を見て、ルパンは呟いた。
五右ェ門はにっこりと笑って、
「ルパンが看病してくれたおかげだ。」
と言った。
その笑顔があまりに綺麗で、言われたことが嬉しくて、ルパンはカァとまた赤面してしまった。
「じゃっ、じゃあ拭くぞ。痛かったら言えよ。」
そう言って照れ隠しの様に慌ててタオルを絞る。
部屋に水音が響いた。
窓の外では雨が降り続く…。



 








後書き
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まだまだ続きますー!
ルパンが柄にもなく照れたりしてます。